犬にとって、肉ははずすことのできない大切な栄養源ですが、鮮度や品質によっては健康を害する原因にもなる食材でもあるのです。
肉に含まれる油脂の粘度が高いと、血液がどろどろしやすくなったり、血液循環を悪くさせることがあります。
逆に粘度が低い肉は、排出もよく毛根や皮脂にたまって炎症を起こしたりすることも少ないのです。
油脂の粘度は、その動物の体温の高さに比例します。
犬の平均体温は、約38度。
この体温に近いか、それよりも低い動物の肉こそが、犬のからだに負担も少なく、健康管理上も適した肉となります。
鶏の体温は約41度、豚は約39度、馬は約38度、魚は水温とほとんど同じでかなり低い体温です。
肉に含まれる油脂の粘度の面からみると、馬肉と魚肉がとても適していることがわかると思います。
しかし、だからといって、馬肉と魚肉だけを食べていれば良い訳ではありません。
肉に含まれる栄養素は、それぞれ違うからです。
かたよらせず、いろんな肉を食べさせてあげることが、健康維持、免疫力強化などにとって、とても大切なことなのです。
とても良質なたんぱく質で、脂肪が少なく低カロリーです。鉄分が豊富に含まれる上、赤血球のヘモグロビンの合成を助けるビタミンB12も多く含まれます。皮膚や粘膜の健康維持を助けるナイアシンも多く含まれています。
魚肉はカタクチイワシなどをはじめ、多種類の魚を使用しています。
カタクチイワシは必須アミノ酸のメチオニンを多く含んでおり、犬に多い病気であるストルバイト結石(尿結石)の予防や既に患ってしまっている犬の為にもとても有効な魚です。
鶏肉のたんぱく質は、メチオニンなどの必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。
メチオニンは、肝臓の機能を活性化する働きがあり、肝臓疾患の予防や改善に役立ちます。さらに皮膚や粘膜の健康を保つビタミンAやB、ナイアシンも含まれるので、美容にも役立つ食材です。
ちょっと元気が足りなかったり、内臓を丈夫にしてあげたい仔にぴったりの食材です。
豚肉は、他の肉類に比べてビタミンB1が格段に多いのが特徴です。
豚肉のビタミンB1 は、他の肉の5 ~10 倍近く含まれ、食品全体の中でもトップクラスです。ビタミンB1 は、糖質が分解されてエネルギーに転換されるのに不可欠な栄養素。不足すると疲労物質の乳酸などが体内にたまります。
また、神経機能を正常に働かせる作用もありますので、疲労に強く、でも落ち着きも持ってもらいたい、元気すぎるわんぱくな仔にぴったりの食材です。